日野、立川、八王子、その他多摩地域の法律相談なら高幡門前法律事務所

 「弁護士さんは紹介がないと会ってくれないんじゃないですか?」。

 

 よく尋ねられるご質問です。結論から言いますと、紹介者のない新規の依頼者をお断りする法律事務所が多数あることは事実です。もちろん、紹介者を不要としている法律事務所も多数ありますし、現に、私の事務所ではご紹介は不要です。しかし、伝統的にはいわゆる「一見さんお断り」というスタンスの事務所の方が多かったのではないでしょうか。そして、その名残は今も厳然として残っています。

 

 「なんて敷居が高いんだろう」「ちょっと偉そうで時代錯誤」、そのな風に思われる方も少なくないでしょう。私も弁護士になる以前は医療・福祉畑という全くの門外漢だったこともあり、実際、そのように思っていました。ですが、今は、必ずしもそのようにネガティブに考えてはいません。弁護士の仕事は、ケースによっては何年もの訴訟を一緒に戦っていく等、それなりに長い時間を依頼者と過ごします。そこまででなくとも、半年、1年というお付き合いになることはごく普通です。ですので、一回限り、あるいは短期間のご相談で終わる仕事とは異なり、それなりの時間を共にするための人間的な信頼関係が相当に重要なのです。私の印象としては、紹介者を必要とする事務所では、そのような信頼関係を大切にしていることが多いように思います。

 

 ただ、弁護士をお探しになる市民の方々の大半はお知り合いに弁護士を紹介してくれる方などいないことの方が多いと思われますので、「一見さんお断り」の法律事務所ばかりでは困ってしまうのも事実です。また、紹介者を必要とする事務所が無条件に信頼できるというわけてもないでしょう。なぜなら、弁護士の技量の良し悪しは、一度事件を依頼しただけではよく分からないことが多いですから、あまり、良心的でない弁護士であっても、一定の割合で「あの弁護士の先生は良かった」と言ってくださるお客様が現れるので、紹介だけで事務所を運営してきていたが実は仕事の質は高くはない、というケースが十分あり得るからです。
 いずれにせよ、功罪両面ありますが、紹介者を必要とせず、ホームページ等をご覧になってお越しいただける法律事務所が増えてきたことは、社会全体としてはやはりプラスの面が大きいように思います。

 

 一方、紹介の有無にかかわらず、ホームページ等で随時ご依頼を受けている法律事務所が玉石混交なのも事実です。残念ながら、ホームページの良し悪しも「宣伝上手か否か」ということがわかるだけでその事務所、弁護士の良し悪しまでは分からないことが通常です。

 

 結局、弁護士を探すにはどうしたら良いのでしょうか。
 月並みなようですが、紹介してくださるお知り合いがいて、そのお知り合いの方のおっしゃることが信用できる場合には、その紹介に乗ってみるのが確率的には良い弁護士と会える可能性を高めると思います。
 反対に、紹介者はいない、あるいはいるのだが、その方を信用してよいかわからない、という場合には、ホームページ等を頼りに弁護士をお探しになるのが良いと思います。無理に、紹介者を探す手間を考えると、あるいは、紹介者がいても100%良い弁護士に会えるわけではないことを考えると、紹介者経由で弁護士を探すことにこだわるのは、かけた手間に見合うだけの成果が得られるか疑問だからです。

 

 何事も、真実はありきたりなものです。
 信頼できる紹介者がいれば紹介していただく、いなければ、無理に紹介者を探す必要まではない、という、なんとも当たり前の結論が真実に近いのかもしれません。

関連ページ

良い弁護士を探すには
「信頼できる弁護士を紹介してくれる人などいない。一体、どうやって弁護士を探したらいいの?」とお困りの方に。
大手の事務所への依頼を考える
「テレビやインターネットのCMて時々見かける大手の法律事務所って信用できるの?」という疑問をお持ちの方は、次の3つの視点からチェックしてみてはいかがでしょうか。
法テラスの無料法律相談について
法テラス(民事法律扶助制度)については、ご存知の方も多いと思います。ここでは、法テラスの無料法律相談について、法テラスの元常勤弁護士がご説明いたします。