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◆大手の事務所への依頼を考える場合

 

 最近は、法律事務所の広告が解禁されたこともあり、テレビやインターネットの広告なども多数目にするようになりました。一般的には、大手の弁護士法人は大きな広告費をかけられるので、広告として目にする機会も圧倒的に多いと思います。しかし、CMをたくさん打っているからといって、そのような事務所を頭から信用してよいのかわからない、とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は、そのような大手の弁護士法人の良し悪しを直接云々する立場ではありませんが、ご参考までに、大手への依頼を考える場合には、以下のような目安でその大手事務所のサービスの質について検討されてみてはいかがでしょうか。

 

1.弁護士一人あたりの事務員の数があまりに多すぎないか
 弁護士一人あたりに事務員がどのくらいいるかについては、かなり事務所ごとの差が大きいですが、さすがに限度というものがあります。個人事務所であれば、弁護士一人につき、0人〜2人程度、中・大規模事務所では、0.3人〜1人といったあたりが標準だと思われます。ちなみに、私が前に所属していた事務所は、恥ずかしながら日本にいれば誰でも名前を知っているような大企業の顧問として企業法務を中心に行っている事務所でしたが、事務員さんは、弁護士一人あたり0.3人くらいでした。それで大きな問題があるようには思えませんでしたので、世間的には「企業法務ではたくさんの事務員さんが秘書のように弁護士をサポートするのが当たり前」というイメージがあるとすると、少し実態とは違うのかもしれません。
 別段、事務員さんの数が多くて困ることもなさそうですが、極端に事務員数が多い事務所では、弁護士が直接事件処理にあたらずに事務員任せにしているのではないかという疑念が生まれます。本当にそうなのか、真偽のほどはわかりませんが、さすがに弁護士一人あたりに5人以上事務員がいるような場合には、通常の事務所では弁護士が直接処理するような内容を事務員任せにしているか、あるいは、弁護士でなくてもでもできるような定形的な処理の多い事件ばかりを集めている可能性を考慮する必要があるのではないでしょうか。

 

2.担当弁護士が遠方の弁護士会に所属していないか
 違法ではありませんが、飛行機や新幹線でしか行き来しないような遠方の弁護士会に所属している弁護士を担当につけられた場合には、その弁護士の活動拠点がどこにあるかを依頼する前に尋ねる必要はあると思います。依頼者のいる地域とは離れた地域を活動拠点としている場合には、常識的に考えて、弁護士と直接打ち合わせができる機会が限られますし、臨機応変な対応は期待しづらくなります。また、そのような弁護士を担当につける事務所の方針にも疑問が残ります。

 

3.免責審尋に複数の面識のない依頼者を同席させていないか
 破産(債務整理)事件に限られますが、破産手続の中で「免責審尋」といって、最低でも一度は、依頼者ご本人に裁判所に来て裁判を受けていただく日があります。東京地裁で免責審尋に同席すると、頻繁に「どう考えても面識のなさそうな依頼者同士を一人の弁護士が何人も引き連れて審尋を受けにきているな」と思われるケースが見られます。はっきり言って心が痛みます。必ずしも破産を恥じる必要はないとはいえ、多くの方にとって他人に知られたくないし、破産手続の最中に他人に見られたくもないと思います。裁判に来てみたら、見ず知らずの赤の他人がいてなぜか一緒に名前を呼ばれて裁判を受けさせられる、というのはどんな気持ちになるのだろうかとつい考えてしまいます。一度の審尋に、一人に弁護士が複数の依頼者を連れてくるのは、ほぼ100%に近く、弁護士側の一方的な利便のためではないかと思われますので、さすがに、そのような姿を見ると、依頼者一人一人を尊重しているようには感じられません。
 債務整理の依頼であればもちろん、そうでなくとも、依頼の前に「ところで破産手続の免責審尋の際、そちらの事務所では、複数の依頼者を同時に連れていくことはありますか?」と一言尋ねてみることをお勧めします。そこで言葉を濁されるようなら、私であれば、そのような所には行きたいとは思えないです。

 

 

 ・・・とりあえず、以上3点をクリアしているのであれば、大手の事務所であっても大規模事務所ならではのマイナス面は少なくなるように思います。あくまで私見にすぎませんが、一弁護士の感想として、ご参考にしていただければ幸いです。

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